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まえおき,音楽理論

1.5 音程の細かい分類と転回

前回の予告通り、今回は音程の細かい分類についてお話します(*゚▽゚*)

 

1.5.1 完全音程

音とは、突き詰めれば音の波。つまり音波のことです。
音には周波数と呼ばれる、物体の振動数を表す固有の値があります。
周波数とは、物体が一秒間に何回振動しているかを表す値です。
音は物(この場合は楽器)が振動することで発生します。その振動の回数によって固有の音が生まれるわけです。

では音程とは?

音程は、これらの音波の周波数比のことです。
各音程には周波数比が決まっています。

また、通常私たちが聴いている音には、基本的な音以外に、別の周波数を持った複数の音が含まれています。
例えば、cの音には、

  c-c1-g1-c2-e2-g2-b2-c3……

という音が含まれています。
これは倍音と呼ばれるものです。
この倍音がない音の例として、単純な電子音があります。
単純な電子音に深みのようなものを感じないのは、おそらくこの倍音がないからでしょう。
倍音は音楽音響学と呼ばれる分野になるため、とりあえず詳しい説明は省きます。
しかし、管楽器や弦楽器を演奏する側としては知っておくべき分野なので、どこかでまた説明するかもしれません。

各音に倍音が存在するということは、この倍音に含まれる音と同じ音程の別の音を鳴らすとどう聴こえるでしょうか?
上記の音の含まれ方を見てもわかるように、音に含まれる一番多い音の成分は1度、もしくは8度と呼ばれるものです。
そのため、これらの音のことを完全一度完全八度と呼びます。
もとの音に含まれているが故に、完全に調和する音程であるから完全一度などと呼ばれるわけです。
次に多いのは五度の音程です。
この音も(完全一度ほどではありませんが)調和しやすい音程にあります。
そのためこの音についても完全五度という名前がついています。

また、もう少し特殊な例として、四度も完全四度と呼ばれます。
「完全五度は、基準となる音に含まれる音なので調和する」と説明しましたが、これに対し、「完全四度は、基準となる音がこの音に含まれ」ます。
属音や下属音と言われるのはこのことにも依存しているのです。

とにかく、これらの理由により、cに対するcは完全一度、c1は完全八度、gは完全五度、fは完全四度という名称がついています。

倍音や調和についてはまた後述することにします。

 

1.5.2 長音程

完全音程のことがわかったところで、下のcの長音階を見てください。再び登場、図5さんです。

音階の各音の名称

〇図5 音階の各音の名称〇

 
先ほど説明したように、この長音階の基音が完全一度(もしくは完全八度)、下属音が完全四度、属音が完全五度ですね。
そして、これ以外の音、

  上基音・中音・下中音・導音

がそれぞれ

  長二度・長三度・長六度・長七度

と呼ばれます。
理由は簡単です。長音階に含まれる音程で、完全音程でないから「長」○度と呼ばれるわけです。
長音程はこれだけで十分理解できると思います(音階が理解できればですが・・・)。
それでは、これに#や♭がつくとどうなるのでしょうか?
次の節で見てみましょう。

 

1.5.3 それ以外の音程

これ以外の音程を知るのも結構簡単です。音程は次のルールにより決定されます。

  • 完全音程よりも半音高い音程は増音程
  • 完全音程よりも半音低い音程は減音程
  • 長音程よりも半音高い音程は増音程
  • 長音程よりも半音低い音程は短音程
  • 長音程よりも全音(半音二つ分)低い音程は減音程

以上です。
減音程よりもさらに半音低い音を重減音程と言ったり、増音程よりもさらに半音高い音程を重増音程と言ったりすることもありますが、これは特に必要がないので知らなくても大丈夫だと思います(^^;

 

1.5.4 転回による音程の判別

ここまでわかれば、音程の別の判別方法があります。
転回と呼ばれる方法です。

展開による音程の判別

〇図12 展開による音程の判別〇

 
図12を見てください。
一番左の音程は完全四度よりも半音高いので増四度ですね。
左から三番目の音程は完全五度よりも半音低いので減五度ですね。
あ、説明していませんでした(^^;
音程は低い音程を基準として判断します。
まぁ、まだこのことは使わないので大丈夫と言えば大丈夫なのですが・・・
今後使うことになるので覚えておいてください(*゚▽゚*)

さあ、残るは左から二番目と四番目の音程です。
これらの音、ほかの二つの音に似てますよね?
何が違うか。低い方の音程が完全8度上がっていますね!
このような操作を転回と言います。

音程を転回するとその音程は以下のように変わります。

  • 増音程⇔減音程
  • 長音程⇔短音程
  • 完全音程⇔完全音程

増音程を転回すると減音程に、減音程を転回すると増音程に。
といった具合ですね。
ということは、図12の
 二番目は、増四度を転回させたものなので減五度に
 四番目は、減五度を転回させたものなので増四度に
それぞれなるわけですね。

転回による音程の判定はわかったでしょうか?

 

1.5.5 異名同音音程

図12をもう一度見てみましょう。

展開による音程の判別

〇図12 展開による音程の判別〇

 
c1-fis1の増四度と、
c1-ges1の減五度
に注目です。
この二つの音、ピアノで見てみるとわかりますが、間の半音の数は同じです。
これらのような音程のことを異名同音音程と呼びます。
ピアノでは平均律と呼ばれる方法(後述)で調律をしているため、これらの音に区別はありません。
しかし、管楽器や弦楽器はでは純正律と呼ばれる方法で調律をする必要があります。
これは、最初の方で述べた周波数比を基準とした調律法です。
つまり、綺麗に調和する音程が純正律なのです。
言ってしまえば平均律は調和しない音程なのです。
なので、音程を自由に変えられる弦楽器や管楽器では純正律で演奏するべきなんですね。
このことも音楽音響学の分野になります。
なので、(演奏者としては知っておく必要がありますが、)今回このことはとりあえず置いておくことにします(*´ω`*)

これだけでは、理解したかどうかが少し不安ですよね?
なので、次回はこれらのことを理解できているかの確認のために、これらを学習できる例題をご紹介したいと思います(*゚▽゚*)

 
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