CATEGORY:

まえおき,音楽理論

1.8 音程の感じ -進行1-

 さてさて!続いては音程の進行による感じをみて、聴いていきましょう(*^^*)
 1.7と同様に参考音源をのせつつ説明したいと思います・・・
が!
とにかく例が提示しづらい章なので、まず、(ほぼ即興で作った)簡単な音源で雰囲気を掴んで、そのあと、後の章で、ほかのものとの組み合わせを考えつつ具体的に見てみることにしましょう!(´∀`)
 また、1.7もですが、音程の感じは大体のことですのであしからず(´д`)
 では、少々長いですが、ぜひお付き合いください(^^;

1.8.1 1度

 1度。つまり同じ音ですね。同音反復と呼ばれます。
 変化(律動 ※後述)がリズムのみで決まるため、静かな感情、崇高な感じ、気高い感じ、不気味な感じなどに使われます。
低い音から急激に高い音に行って、それから同音反復すると、神経質で苛立たしい感じにもなります。
 んー。。とりあえず参考音源を聴いてみましょう!

〇動画7 1度の進行の効果〇

 

1.8.2 2度

 続いて2度です。隣り合う音への進行ですね!
 となりにある音に進むので、当然ですが、進行の中で最もなめらかで、最も自然に進む音程です。

 まず、短音程と長音程の違いですが、短音程の方が負の感情、長音程の方が正の感情になります。(当たり前か(;´∀`))
要は、安定度の問題です。短音程というのは不安定。こ
れを覚えておいてください。これを頭に入れたうえで次の説明を見てみましょう。

 まずは短二度音程(半音)から見ていきましょう!
短二度の上向は、感情の高まりを表します憧憬(あこがれること)を表す効果もあります。これは組み合わせからわかってもらえるかと。。

「滑らかな進行で不安定、そして音程が上がる」ので、力強さのある切なさになります。
そのため、感情が高まったり憧れの感情が出てくるわけです。

 しかし、これが連続するとどうでしょう?
基本的に、同じことが続くと人は変化を求めます
つまり、「力強さのある切なさ」+「感情が高まり続けることに対する変化の欲求」なので、不安になり(興奮しすぎるとあるポイントで不安になりますよね?)、落ち着きがほしくなるわけです。

 逆に、短二度で下降するとどうでしょう?「なめらか」+「不安定」+「音程が下がる」なので、力のない切なさになります。
諦めだったりとか、つらい感じの悲しみっていういい方もいいですね。

 これが連続するとどうなるか・・・?
「(力のない)切なさ」+「感情が下降することに対する変化の欲求」なので、明るい音色がほしくなります
こういう進行の最後に明るい音色が来ると、待ってました!って感じになって、気持ちよく感じます。
時に壮大に感じたり、時に感動的に感じたりと。
りとはこの効果が大好きで、低音によく登場させます。
思い出とか、壮大に、感動させたい系の曲にはほぼ確実に出てきますw(主に低音で)

 これらの半音進行は、連続して使用すると、調には無い色々な音色を使うことになるので、速く演奏すると、それらの色が重なり合うように、色鮮やかな音を表現することができます。
短音程の連続になるので、使い方に注意しなくてはなりませんが、やりようによっては華やかな演出も可能です。

 では、続いて長音程(全音)です。今度も足し算を使って考えていきましょう!
まずは上向から。
「なめらか」+「安定」+「音程が上がる」なので、なめらかで安定して上る。
これはもう、穏やかな感じが漂ってきますよね?
山登りハイキングみたいな感じですね!←

下降音程は、「なめらか」+「安定」+「下降」なので、落ち着いた感じになります。
足し算の考え方、わかってきたでしょうか?

 では、これらの全音音程が続くとどうなるか?
ずっと穏やか、つまり、柔らかいものになると、掴みどころのない朦朧とした感じのものになります。
これは「全音階」とも呼ばれ、ドビュッシーがよく使いますね。
たしか、彼が考え出したんじゃなかったっけ・・・とうろ覚えな知識も言ってみます。
本格的に使い出しただけかもです(;´∀`)
ドラ〇もんとか、となりの〇トロとかで使われてる少し間抜けな音階です。
ちなみに、基本的な音階(5全音+2半音で構成される音階)のことも全音階というので、区別するために、全音音程だけの音階のことを全音音階と呼んだりもします。

 これらの、全音進行(穏やか)と半音進行(感情の高ぶり)を組み合わせることで、感情が行ったり来たりするので、なめらかで、安定したものになります。ゆっくり演奏すれば、その効果が強まって、重々しくなるわけです。

 それでは、長くなったので、最後にまとめたうえで例を聴いてみましょう!

  • 短二度上向は憧憬・感情の高まり。連続すると不安で落ち着きがほしくなる
  • 短二度下降は諦め・切なさ。明るさへの期待
  • 速い短二度の連続で、色鮮やかな色彩や華やかさを表現することができる
  • 長二度上向は穏やか
  • 長二度下降は落ち着き
  • 長音程の連続はつかみどころのない朦朧とした感じ(間抜け?で不思議な感じ)
  • 長・短二度を組み合わせるとなめらかで安定する。ゆっくり演奏すれば重々しくなる

まとめは以上!では、聴いてみましょう!

〇動画8 2度の進行の効果〇

 

1.8.3 3度

 では、続いて3度の説明に行きます。

 3度の特性については、1.7 音程の感じ -和音-の1.7.3でも説明しているように、長音程で明るく、短音程で暗くなるんでしたね!(*´ω`*)
これは、後述する和音と関係しています。
しかし、「長音程で明るく、短音程で暗く」ってよく言われるんですが、りと的には少し正しくない表現じゃないかなと思います。
より正しい言い方は、長音程で柔らかく、短音程で鋭くといったところでしょうか(´・ω・`)

 3度は長短がはっきりした音程なので、響きが豊かになります。
また、長短の性格が出やすいので、官能的になったり力強くなったりと、感情表現をしやすい音程であるといえます。
愛情を表したりなんかもしやすいですね!

 2度で細かく、足し算の話をしたので、ここでは、自分でその答えを探してみましょう!
というのも、音程の感じをあまり固定して頭に入れておくと、そればかりにとらわれて良くないからです。
足し算の結果を出すのではなく、足し算の式を覚えておいたほうが、いろいろな解釈ができます
ということで、次の式からいろいろな解釈を考えてみましょう!

  • 長3度上向→「感情表現」+「明るさ、柔らかさ」+「上向」=?
  • 長3度下降→「感情表現」+「明るさ、柔らかさ」+「下降」=?
  • 短3度上向→「感情表現」+「暗さ、鋭さ」+「上向」=?
  • 短3度下降→「感情表現」+「暗さ、鋭さ」+「下降」=?

 また、3度の音程を長短または、短長と繰り返すと、分散和音(後述)の形になります。
これは和音の特性をよく表し、それに上向と下降のニュアンスを入れるような表現になります。具体的には、
長3度上向、短3度上向で、メジャーコードの分散和音になるので、上向の動きと相まって、高揚感がでます
短3度上向、長3度上向で、マイナーコードの分散和音になるので、今度は悲壮な決意が表れるような感じになります。
長3度上向、長3度下降(元の音)なんかだと、落ち着いていて、雄大に響きます
このように、足し算した進行を繰り返すと、また別の色合いが出てくるんですね!

これらを頭に入れて、自分の足し算の結果に納得がいくかどうかを知るために、簡単な例を聴いてみましょう(*’▽’)

〇動画9 3度の進行の効果〇

 

1.8.4 4度

 では次に4度です。

 4度は、1.7 音程の感じ -和音-でも説明しているように、明るいか暗いかがわからない音です。
しかし、この4度、5度よりも柔らかくなるという特性がありましたね!
完全音程なので非常に安定しています。
そして柔らかくて、上向するとロマン的な高揚感が出たり、硬さのない精力的な感じや憧憬的な感じがします。

 この上向の4度がりとは大好きなんです(*´ω`*)
りとの曲おるごーるろんどでも、ちゃっかりメロディの出だしに使っていますw
自分の好きな作曲家は「ショパン」「ラフマニノフ」「久石譲」なんです。みんなロマンチック!
この4度上向もまさにそんな感じ!
彼らではないんですが、シューマンのトロイメライって曲の入りがこの4度上向を使っています。
ロマンチックですごく気持ちが高揚する入りですよ!
あ、ショパンの別れの曲もいいですね!
どちらも切ないけど暖かみのあるいい入りです!

 下降すると、その柔らかさと明るいか暗いかわからない不安感であきらめを感じさせる音になります。

では聴いてみましょう!
せっかくなので、トロイメライと別れの曲もちょっとだけ演奏しますね!曲の入りをよく聴いていてください!

〇動画10 4度の進行の効果〇

 

1.8.5 5度

 本節のラストは5度です!
 
 ここからはおわかりの方もいるかもしれませんが、転回すると紹介済みの音程になるという音程です。
転回音程についての説明は、1.7 音程の感じ -和音-では同じ節で説明しています。
まとめられるくらい、似た性格を持つ音程であるということですね!
しかし、本節ではそれぞれを別のものとして解説します。
進行になると、音が急激に飛ぶ間隔を感じるため、捉え方が微妙に変わってくるためです。
この、急激に音飛びをすることを跳躍といいます。
跳躍が入ると力強さが出たり、意味が強まったりすると覚えておいてください。

 では、5度の説明です。
1.8.4でも言ったように、5度は4度よりも硬く、鋭く響きます
この鋭さは、カミツレの森の中間部のメロディーでも使っています。
3度がないので、不安感をあおる響きになっていますね。
この響きがあるので、5度の上向は疑惑の表現なんかにも使われるわけです。

 では、5度の下降はというと、宿命的・決定的・決然と、といった感じでしょうか。
下降というよりも、落ちるような感じになるので、鋭さと相まってそんな感じに聴こえます。

 それでは、なんとなくわかったところで聴いてみましょう。
せっかくなので、カミツレの森の中間部も弾きますね(‘Д’)

〇動画11 5度の進行の効果〇

 
 それでは!以上で1.8節終了です!
 本節は長かったので疲れたでしょう。。。お疲れ様でした(*´ω`*)
次回はこの続きを説明したいと思います!
本節が頭に入っていれば、割と(?)納得できる内容ではないかなと思います!

 

関連コンテンツリンク

 
←1.7 音程の感じ -和音-    ↑りと式音楽理論もくじへ    1.9 近日公開!!