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まえおき,音楽理論

1.7 音程の感じ -和音-

 音程のことがわかってきたところでその音程がどんな感じがするかみてみましょうー(´∀`)
いや、「聴いてみましょう」かな?(`・ω・´)
 説明とともに参考音源も載せていきますねー(*゚▽゚*)

 

1.7.1 完全一度と完全八度

 一度と八度は音名としては同じものです。
そのため最も良く調和し、気持ちよく響きます。
よく使われる手法としては、旋律やバスを八度で重複してその意味を目立たせたり、強めたりすることがあります。
 では実際に聴いてみましょう!(*゚▽゚*)
 次の動画は、りとが作曲したカミツレの森 -for piano concerto-という曲です。
リンクで全編通して聴けるようになっています(´∀`)
 今回は、この旋律を使ってピアノで録音してみました。
はじめに、単音の旋律、次に八度でメロディーを重複した旋律が流れます。
違いを聴いてみましょう!(*゚▽゚*)

〇動画3 旋律の八度の重複の効果(『カミツレの森』より)〇

 
 どうでしょう?
意味を目立たせたり、強めたりという意味わかっていただけたでしょうか。
 この動画では、あえて余計なアレンジは入れずに、一度目と二度目の楽譜の違いは旋律の重複だけにしてあります。
実際のピアノ曲では、ここにアレンジや旋律内のコード、対旋律などが入ることが多くなります。
 他の曲で、もう一度同じ旋律が出てくるときは注意して聴いてみると、八度の重複が使われてることもあると思います!
もし、曲を書いてみることになったら、この手法とその聴こえ方は覚えておくと便利かもしれません(*゚▽゚*)

 

1.7.2 完全五度と完全四度

 和音は音階で言う中音(三音)でその性格が変わります。
短三度なら短調の音階、長三度なら長調の音階でしたね!(´∀`)
 完全五度や完全四度は、その性格を表す音が抜けているために、それだけでは明るいのか暗いのかがわからず、ドキドキするような感じとか、不思議な感じなんかを出すのに効果的です。
旋律を四度や五度で重複して使えば、その不思議さで美しい色合いを出すことができます。
 それでは、これも例を聴いてみましょう!
同じく、カミツレの森 -for piano concerto-の一部分です。

〇動画4 旋律の四度の重複の効果(『カミツレの森』より)〇

 
 おわかりいただけたでしょうか?
これも1.7.1と同様に、余計なアレンジは加えていません。
二回目の方が不思議な感じがしますよね?こんな風に使うと効果的なんです( ´ ▽ ` )

 ロック等、エレキギターのパワーコードってありますよね?
あれも、この完全五度や完全四度の響きになっています。
音の重なりで迫力を出すようなこともできるんですね!(`・ω・´)
 でも、使い方を間違えると、少しちぐはぐなものに聴こえることもあるので注意が必要です。
そのへんはまたおいおい説明していくことにしましょう(´д`)

 この音源では、旋律の全てにおいて「完全四度」を使用しています。
しかし、このように完全四度のみになるというのは、実は非常に不自然な事なんです(詳細は後述)。
この不自然さが、曲の性格と混ざって、不思議さに変わってるんですね(*゚▽゚*)

 ちなみに、通常のクラシックでは、主に五度の重複を使用することが多いです
しかし、カミツレの森 -for piano concerto-では四度の重複を使用しています
実は、五度と四度でも微妙に聴こえ方が違ったりもするんですが、基本的な雰囲気は、この二つでほとんど変わりありません。

なぜでしょうか?

 ここで、音程の細かい分類と転回の、1.5.4で説明していた転回の考え方が大切になります。
 五度と四度、転回するとそれぞれの音程に交互に移ることに気づくでしょうか?
例えば、五度を転回すると四度に、四度を転回すると五度にといった具合です。
そして、1.5.4でも説明したように、これらの完全音程は、展開しても完全音程なんです。
同じ音で同じ音名の種類。
聴こえ方が似てくるのも納得ではないでしょうか(*゚▽゚*)

しかし、先程も言ったように、クラシックでは基本的に四度ではなく、五度での重複が多くなります。

Q:なぜりとさんは四度を使うの?(´д`)
A:大好きな尊敬する久石譲先生の影響です。

というわけです(^^;
 久石譲先生の曲では、不思議な雰囲気を出すところで、よく、この四度の重複が出てきます。
それがすごく美しいんです!

 1.8で紹介しますが、四度と五度、その違いはやわらかさにあります。
五度は決然とした感じ、四度は優しく包み込むような感じなんです。
これは、1.8で紹介する音程の進行でわかりやすく感じることが出来ると思います。

 りとが四度を好むのは、単純にやらかいからというのもあります。
こちらのほうが優しい響きになるので、好んで使うわけです( ´ ▽ ` )

 

1.7.3 三度と六度

 続いては三度と六度です。
 1.7.2でも述べたように、三度の音があると、その音程が明るいのか暗いのかを判断することができます。
当然、転回形である六度でも同様のことが言えます。

 三度の重複は、長音程では明るく、短音程の時には暗くなります。
んー。ずっと言ってたことですね(^^;
 これらは、明るさや暗さを表現する音であるため、色彩感のある、豊かでふくらみのある音になります。

 旋律に混ぜるときには、この短音程と長音程を交えて鳴らすことで、変化を加え、より豊かな色彩感を表現します。
明るい色と暗い色がいっぱいあると、綺麗な絵になっていきますもんね!(*゚▽゚*)

 では、この色彩豊かな効果を狙った旋律の三度の重複を聴いてみましょう!
今回は、りとの曲Respective Waysから抜粋&効果がわかりやすくなるように変更を加えたものです。
それではお聴きください( ´ ▽ ` )

〇動画5 旋律を色彩豊かにする三度の重複の効果(『Respective Ways』より)〇

 
 どうでしょう?
 旋律の聴き比べは用意しませんでしたが、今回は、これだけで豊かなふくらみのある音というのはお分かりいただけたのではないでしょうか?
 この曲では、短音程と長音程を交えて使用しています。というか、楽譜通り、普通に、旋律に三度の音を重ねると、長音程と短音程は交えて登場するようになるんです。
つまり、これが、三度で重ねる旋律の自然な形。
では、不自然にしてみたらどうなるのでしょうか?

 旋律をずっと短音程、ずっと長音程で重ねると、どちらも違和感を感じます。
例えば、映画を見ていて、ずっと暗いシーンばかりが続くと当然嫌な気持ちになりますよね?
じゃあ、ずっと綺麗な(明るい)シーンだったら?
これも、
「これからなにか嫌なことが起こる前触れじゃないの・・・?」
みたいな不安な気持ちになるんです。

 音楽でも似たようなことが言えます。
ずっと長音程で重ね続けると、明るくなるのではなく、不安になるんです。
 コミカルで面白い映像でも、ちょっとした「毒っけ」を出して笑いをとったりしますよね?
 ずーっと、ただ綺麗なだけのものって、案外、人を不安にさせてしまうんです。
グノーのファウストの第五楽章「トロイの娘たちの入場」なんか、ずっと綺麗な曲なので、オーケストラで演奏しながら、すごく不安な気持ちになったのを覚えています。

 では、この長音程による不安さを利用した曲を聴いてみましょう!
りとの曲暗闇とともに(シンのテーマ)より、抜粋&わかりやすく編曲したものです。
それではお聴きください。

〇動画6 旋律を長三度のみで重複した効果(『暗闇とともに (シンのテーマ)』より)

 
 どうでしたか?
 この曲は短調の曲です。つまり、曲全体の雰囲気は暗いんですね。
しかし、その暗い伴奏や、暗い旋律の(横の)流れがある中、その旋律に重なる音程は全て明るい長音程になっています。
この手法は映画、ジョーズのテーマなんかでも使われています。
明るいのが続くと逆に不安は増すんです。

 この方法を前面に押し出した曲がりとの曲にもあるのですが・・・
ホラーのように不快なものなので、紹介するべきか迷っています(ーー;)
実験のために書いたような曲ですしね(^^;

 このように、同じ三度でも使い方でその聴こえ方はだいぶ印象が変わっていきます。
これは、三度が性格を持つ音であるためです。

 また、久石譲先生は好んで六度の響きを使う傾向があります。
六度では、三度の時と長短が真逆になります。
また、音が離れるために意味が強まる傾向があります。
さらに色彩感を、さらに感情を出したい時には効果的です。

 

1.7.4 二度と七度

 それでは、今回最後の項目です!
 二度や七度は、長短ともに融和せず、非常に鋭くなります。
これまで聴いてきたものは非常に綺麗に響いて聞こえますが、これらの音程だけは違うんです。
音が完全にぶつかっているために、痛々しい感じや違和感のある感じなんかが出るため、曲でも部分的にしか用いられないことがほとんどです。
 しかし、この音程を効果的に使うと、またそれも美しい響きになります。
使い方が複雑であるため、これについてはまたあとの方でやることにしましょう。

 また、減音程と増音程は独特な感じがして、非常に食い違ったような響きを出します。

 これらの理由もあり、ひとつの旋律で重複する(重複し続ける)ことは近代音楽を除きあまりありません。
しかし、部分的にはりとも多用する音程なので、その鋭さを出す効果は曲中では非常に重要な響きだったりもします。

 
 今回はここまでです( ´ ▽ ` )
 次回は、音程をバラバラに(順番に)鳴らしたときの感じについて説明したいと思います!

 

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