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AME-6,UTAU,作曲

【AME-6】ココロお天気雨【オリジナル】

お久しぶりです!(`・ω・´)

今回の曲ですが、実は初めてコラボを行った作品になります!
ねこたまさんとのコラボです!
コラボはすでに2作品出てますが、これがはじめだったんですね・・・
動画に時間がかかりました。。。
そして今回のコラボはその手法が面白いので、今度別枠でその方法を紹介予定です!
ねこたまさんの絵は、例えば笑っているのに悲しそうに見えたり、「表情の奥にある感情」みたいなのが伝わってくるほんとにいい絵なんですよ!
その絵に惚れて、始まった企画になります!
ねこたまさん!本当にありがとうございました!
みなさんもねこたまさんのTwitterとかピクシブとかにアクセスしてねこたまさんの絵をチェックしにいきましょうねー!!!

それでは早速曲を聴いていただきましょう!
タイトルは「ココロお天気雨」。
UTAU作品として12作目(2015年7月作曲)、投稿は7作目になります!

いつものように、曲の下に解説等を入れています!
動画も凝っているので、しっかり見てくださいね!
 
 
ニコニコ動画はこちら↓

YouTubeはこちら↓

☆スタッフ☆
作詞・作曲・調声・絵コンテ・動画:りと456(@Rito456YouTubeニコニコ動画マイリストpiaproBowl Roll
絵(全般):ねこたま(@matatabicat3141pixivニコニコ静画mixiアメブロ
絵(銀のココロ)・ミニアニメ:103(@103msk

 
****************** 歌詞 *******************

ココロお天気雨
 作詞・作曲:りと456

雨降りだからって 傘をさしたって
どうせ今日はお天気雨
誰も居ない朝は一人で はしゃいだりしてみたい

ヘーキなフリしてもホントは
フツーの女の子みたいに
生きたい 遊びたい
だから!
世界を回そうっ!

流れ巡る景色
同じ色 肌の雫
緑・青・黄色 すべての色を
魔法の力でごちゃ混ぜにして

重ねた手は空に
溶け込んでしまいたいと泣いている
それでも私は空を見上げて
世界に囁くの 「ありがとう」と
 

ある日はじめての お休みをもらって
それでも外は見れないから
誰も居ないお庭 一人で
石ころ転がしてみたり

平気になれないよ 私にも
ココロはあるんだよ 兵器でも
自由になりたい
だから!
時間よ動いてっ!

変わらない世界で
一人その時を待つ
いつかは私も愛のないあの場所で
魔法の力でココロをナクシテ

私が好きなモノを
すべてこの手で壊すのかな
それでも私は愛するヒトに
素直に言えるのかな 「ありがとう」と
 

(「ありがとう」と)「ごめんね」って
コトバだけは知っていても それは
紙の中の ピスガ山(さん)の
届かない夢
・・・だった・・・
 

初めての お便り
あの場所は 私の
世界じゃなかったんだ
生きる意味なんて探せばいい・・・!
(探せばいい!!)
 

重ねていく気持ち
神さまの気まぐれ
緑・青・黄色 すべての色は
光を乱して ごちゃまぜになって

糸の切れた銀のココロが
震えて叫んでいる
雨に打たれて 濡れただけだよ
涙は出ないから
でも知ってるよ
この痛みを
ヒトは優しく
とても優しく こう呼ぶの
「心」と

*********************************************

それではいつものように、この曲の物語を紹介していきます。
 

(前奏)
(1A)
軍事用”兵器”、AME-6(エーエムイーロク)。
人間ではない彼女は疲れを知りません。
右腕は「腕ではないもの」に付け替えることもできます。
耳のパーツから受信される情報で、予報よりもはるかに正確に明日の天気を当てることもできます。
外の世界は、知りません。

そんな彼女の一番の楽しみは、訓練が始まる前の早朝に、自由に「彼女の世界」を見ることのできる時間。
特に今日は大好きなお天気雨の日。
傘を差さずに体で雨を受けると、視界が屈折して、いつもの世界がまるで別の世界に。
誰もいない朝ぐらい、誰にも見られない場所で、ひとりではしゃいだりしてみたいんです。
いつも冷静に、淡々と。あんなの、本当の私じゃないんだ。
(1B)
たとえ兵器だったとしても、彼女の中には人間でいうところの心のような「ココロ」がありました。
それは、きっと作られたまがい物なんでしょう。
いいえ、もしかしたら何かのバグなのかもしれません。
そのココロのせいで、彼女は自分の受けた使命に違和感を感じることがありました。
普段は平気なそぶりで兵器として振舞っていても、普通の・・・ホンモノの人間の女の子にあこがれる気持ちがあるんです。
普通に生きて、普通に遊んで・・・
でも、彼女はそんな「普通」ですら、どんなものか知りません。
それでも、今が普通ではないことだけはわかっていました。
だから、いつか自分なりの「普通」を手にしたい。
・・・
いくら考えても、本当はどうしようもないことです。
彼女がそんな風に生きる道は、誰の選択肢にもありません。
そうやって、思いを馳せれば馳せるほど、胸のあたりがズキズキと痛みます。
やり場のない毎日の中、お天気雨の朝だけは彼女の味方でした。
普段、自分の感情を持つことが許されず、何かの中心になることのない彼女でも、
雨で歪んだ世界でくるくると回っていると、まるで自分が世界の中心になっているように感じます。
まるで、自分の周りを世界が回っているかのように。
そんな風に、雨の降る空を見上げながら、今日も彼女は声に出さずにつぶやきます。
「今日も私の世界を回そうっ!」
(1S)
流れ巡る景色。
くるくると同じ色を繰り返す景色は、彼女を別世界に連れて行きます。
肌のセンサーで雨の雫を感じながら、液体で光が屈折して濁った世界を回していく。
ごちゃまぜになっていく「すべての色」を見ると、まるで魔法使いになったようです。

ぐちゃぐちゃになった世界で楽しそうに広げていた手。
体の前に持ってきて、空に手を合わせると、その手もぐちゃぐちゃに見えて、
まるで私の手が「世界に溶け込んで、消えてしまいたい」と泣いているみたい・・・

楽しさで押し殺した感情のようなナニカが、その手を見ることでまたよみがえります。
楽しいひと時はお天気雨が止んでいくように、すぐに終わります。
いなくなる雨といっしょに、彼女も空に重ねた手をゆっくりと下ろし、ただ空を見上げました。

命令に背きたい。
人を傷つけたくない。
・・・殺めたくない。

このナニカはバグなのでしょうか。
人の代わりに、自分が消えてしまいたいと思うこのナニカは一体何なんでしょうか。
彼女はこの気持ちが本当はなんなのか、まだ知りません。
でも、こんな世界でも、彼女は自分が生まれてきたことに感謝しています。
だって、この世界が大好きだから。
生まれなかったら、この素晴らしい世界を知ることはなかったから。
だから、寂しそうに見上げた空の更に先を見ながら、彼女は世界に向けて囁きます。

「私を世界に呼んでくれてありがとう」

(間奏)

(2A)
AI学習用の訓練に追われるある日。
彼女は突然「はじめての」お休みをもらいます。
兵器である彼女には、お仕事のひとつである「メンテナンス」は必要でも、いわゆる「休息」は必要ありません。
それは、どう考えても普通ではありえないことで、彼女もその違和感を感じ取っていました。
休みといっても、極秘開発兵器である彼女は外出厳禁です。
高く作られた壁からは、空と背の高い木々以外のものは見えません。
静まり返ったいつもの訓練場。
人間の休憩用に作られた長椅子に座りながら、曇った表情の彼女は、そこにあった石ころを蹴飛ばします。

あの日がくるんだ。

意味もなく過ぎていく時間の中、彼女はそう悟りました。

(2B)
おそらく、データ収集のための訓練が一通り終わったのです。
自分の知らないところで、今、自分の未来が決められようとしているのでしょう。

「私は明日から人殺しの道具になる・・・」

分かっていても受け入れられない現実に目をやると、自分の「ココロ」がそれを嫌がっているのがわかります。

逃げたい。
やめたい。
消えたい。

そんな言葉ばかりが頭をよぎります。

自由になりたい。

最後にふと、そんな気持ちが浮かびました。
時が止まったように流れていた訓練の日々。
そんな中にも少しだけ存在していた「お天気雨の息抜き」が、彼女をかろうじて支えていました。
でも、今度はもっと酷く、時の動かない毎日を淡々と送らなくてはなりません。
きっと、兵器になったあとにこの場所に戻ってきても、私は永遠に「私の時間」を止めるはず。
辛い記録を処理したくないから。
(2S)
そんなことを願ったところで、永遠に変わらない世界の中、彼女はひとりきりで「人を殺す」その時を待ちます。

「戦場」と呼ばれるその場所では、人々が、私の持つことのできない「愛」と呼ばれるものを自らの手で殺しながら、人の命を奪っているそうです。
どうやら「戦場」には恐ろしい魔法がかかっていて、普段は素敵な私の周りの人たちも、そうやって愛を捨てていくのだそうです。
私も、その場所に行くと、この人を想う「アイ」も「ココロ」も無くして、失くして、亡くしてしまうのでしょうか。
私が好きなすべてを、この手で、無感情に壊していくのでしょうか。
愛する人間たちのために、アイを捨てて、愛する人間たちを殺めて、私はそれを素直に喜べるのでしょうか。

「私に、『大好きなヒトを殺す機会』を与えてくれてありがとう」

とでも言えばいいのですか?

(C)
「ありがとう」、「ごめんね」。
そんな普通の挨拶でさえも、彼女にとっては、ただ辞書の中に書いてあるだけのよくわからない「コトバ」でしかありません。
何度、この言葉を誰かに言われたいと願ったか。
何度、この言葉を誰かに言いたいと願ったか。
そして、明日を境にその言葉は永遠に手の届かないものへと変わってしまうのでしょう。
約束の地に足を踏み入れることのできなかったモーセのように、私の願いも叶わない儚い夢にすぎません。
いや、すぎませんでした。

この時までは・・・

(3S’)
AME-6は生まれて初めて手紙をもらいました。
どうせなら、ココロの終わりを告げるこんな通知よりも、誰かからのお便りがよかった。
おそらく戦場への配属を告げるであろう通知を見つめて、彼女は少しだけそう思いました。
ただ、この「はじめて」に彼女は少しだけ嬉しくなります。
しかし、封を切って中身を確認することを思い、また暗い表情に戻りました。

あぁ。どうせこの瞬間から、今の「自分」という存在は消えてなくなってしまうんだ。
それならもう、どうでもいいや。
そう思うと、ためらっていた手がひとりでに動き、中身を確認し始めました。
まるでその動きが「魔法の始まり」を告げるように感じて、彼女は一瞬だけ、自分の行動に恐怖を覚えます。

   運用地及び人事異動通知書

 名称  人型大量破壊兵器 AME-6
 所属等 新型兵器開発部隊
     試験運用演習場配備

 (発令事項)
  気象予知士を命ずる
  気象観測部隊への配備及び勤務を命ずる 

ゆっくりと内容を確認しながら、AME-6は自分の目を疑いました。
自分の願いが、処理に影響して、情報の書き換えを行っているのかもしれない。
そう思いながら、深呼吸をして、何度も何度も通知書に目を通しました。

間違いない。
間違いなく、自分に発令された通知だ。
戸惑い、手を震わせながら通知書を手にしていた彼女の中には、ひとつの考えが浮かんでいました。

『私の生きる目的は・・・?』

曲がりなりにも「人を助けるために」人殺しの道具として生まれた彼女にとっては、「逃げ出したい現実」が唯一の「生きる意味」でした。
それがなくなると理解した瞬間に、彼女は「自分が誰にも必要とされていないのでは」と感じたのです。

ヒトのような「心」を持たない私が目的もなく生きることなんて・・・きっと・・・

嬉しさと絶望に近いナニカが混ざり合うの中、彼女はもう一枚の紙の存在に気づきました。
「配属変更の理由書」と書かれたそこには「性格及び人格プログラムのバグにより」という記述が・・・

自分が信じたかったこのナニカは、人間にとっては「バグ」だった・・・?

自分でもよくわらかない黒いナニカが膨れ上がっていくのを感じながら、彼女はただその紙を見つめました。
ポタリ。
遠のいていく文字を見つめているときに、彼女は何かが紙の上に落ちる音に気がつきます。
そして、自分の頬を何かが伝っていることを知ります。

「涙・・・?」

泣けないはずの自分の体から涙が出ている。
信じられないその光景の理由に気づくのに時間はいりませんでした。
空から雨が降っていたんです。
いつもの「大好きなお天気雨」が。
降り出した雨を見るように彼女は空を見上げました。

そうだ。
もう、人殺しをしなくて済むんじゃないか。
目的のなくなった兵器でもいいじゃないか。
生きる意味はこれから探せばいい。
いまは、なんのために生きるのかは考えなくていい。
ただ、大好きなヒトを殺さなくて済む。
それだけでいい。

(3S(大サビ))
自分が流せない涙の代わりに降り出した雨に、彼女は感謝しました。

きっと、私の願いを聞いた神さまが、気まぐれにくれたプレゼント。
兵器だから人を殺さないといけないわけじゃない。
兵器だから涙を流しちゃいけないわけじゃない。
きっと、この雨がそれを私に教えてくれてる。

雨に打たれ、空を見上げた彼女の視界は、雨(ナミダ)で光が乱反射して、ぐにゃぐにゃと奇妙にねじれています。
とめどなく流れる雨を見ながら、彼女は何かを噛みしめました。

きっとこれから、「緑、青、黄色」以外の「綺麗な色」も見ることができる。
知らない世界をこの目で見ることができる。

そんなことを思う彼女は、自分の中で、生まれてから今までずっと張りつめていたナニカが切れるのを感じました。
声に出さなくても、彼女には、彼女の「ココロ」が、確かに、ただただ泣いて、震えながら、叫んでいる声が聞こえます。

頬を伝うこれはただの雨です。憧れた続けた涙では決してありません。
私に涙は流せないから、確かにそのはずです。
所詮ニセモノの涙だけれど、それでも、私が大好きな人の「心」は、きっと、このどうしようもなく私を締め付ける痛みと同じもの。
嬉しくても、悲しくても、体の奥底のどこからともなく現れるこの痛み。
この痛みを和らげるために、ヒトはきっと、この痛みのことを優しく「心」と呼んでいるんだ。
彼女はそのことに初めて気がつきました。
いいえ。本当は知っていたんです。
ただ、それを持って戦場に行くことが、どれだけ辛いことかわかっていたから、必死で別のナニカだと言い聞かせてきたんです。

バグでもなんでもいい。
このナニカが、きっと私の望んだ「心」なんだ。
そう信じて、彼女は空の向こうに広がる未来を想って、嬉しさと切なさの雨(ナミダ)を流します。

*********************************************

 
 
いかがだったでしょうか?
歌詞と映像を交えてなんとか内容がわかるようにしたつもりだったのですが、
それでも伝えきれなかった思いをこの文章に詰め込みました。
ここまで長文を読んでいただきありがとうございました!

さらに!
今回の曲もピアプロにオフボーカル(カラオケ)版コーラスの入ったオフボーカル版をアップしています!
歌い手の方や、歌い手になりたい方、ぜひぜひ歌ってみて投稿してください!
さらに、他のUTAUキャラやボーカロイドでのカバーも大歓迎です!
お待ちしています!(*^^*)
また、今回のベタ打ちUSTも近日公開予定です!
piaproの音と組み合わせて、調声して遊んでみてください!

ではでは!(´∀`)

 
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りと456

 

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