1.4 音階
今回は音階についてです(´・ω・`)
それでははりきって参りましょう!(`・ω・´)
1.4.1 音階と各音の名称
音階とは、ある調の音を、ある一定の規則に従って階段状に並べたもののことです。
「ある調」とか「ある一定の規則」とか、これではよくわかりませんね(^^;
「調」については後日また述べるとして、「規則」については、このあとの1.4.2でその一部をご紹介したいと思います(*゚▽゚*)
では、とりあえず音階の例を見てみましょう。図5を見てください。
この図は「C dua(ツェー ドゥア)」の時の長音階です。
さっき説明した「ある調」にあたる部分が「C dua」で、「ある規則」が長音階のことです!
とりあえず今は、「こういうのが音階なのか~。」程度に思ってください。
注目すべきは、その下に書いてある文字です。
音階には各音に名称がついていて、それぞれ、「基音・上基音・中音・下属音・属音・下中音・導音」という名称がついています。
う~ん。突然わけのわからん言葉が出てきて、まったく覚えれないんだけど・・・。
ってなりますね。このままでは(;´д`)
では、なぜこのような名称がついているのかを見てみましょう。
図6を見てください。
図には「語源」と書いてありますが、実際にはりとの勝手な解釈なのであしからず(^^;
図6の左を見てもわかるように、全ては基音から生まれているのです。
まず、その調の基準となる音のことを基音と呼びます。
そして、基音に属していると考えられる音のことを属音といいます。
この、「属している」ということの説明については、調の話とともにしたいと思います。
とにかく、基音の5度上の音を属音と呼ぶのです。
そして、基音と属音の間にある音のことを中音と呼びます。
真ん中にあるから「中音」なんですね(*゚▽゚*)
また、図6の右では、同様の考えを、基音の下で考えているのです。
基音の5度下にあるから下属音。
基音と下属音の間にあるから下中音といった具合ですね!
残るは「上基音」と「導音」です。
上基音はなんとなくわかるのではないでしょうか。
そうです。基音の真上にあるから上基音ですね。わかりやすい!(`・ω・´)
あとは、導音です。これは音を聴くとわかりやすいです。
次の音を聴いてみてください。
りとの大好きな悲愴の三楽章の主テーマの終止部を簡略化したものです(*´▽`*)
3番目の音に注目してください。
4番目の音に向かっていくような感じがするのがわかりますでしょうか?
4番目の音が来るべくしてきたような感じがするのではないかと思います。
4番目の音の主な音はこの曲の「基音」です。その基音に向かって聞こえる3番目の音、これが導音なのです。
もう分かりましたね。基音のちょうど真下になる導音は、基音を導く役割を持っているんです。そのため導音と呼ばれています。
1.4.2 基本的な音階の種類
音階の各音の名称がわかったところで、基本的な音階の種類を解説していきましょう!
まずは、図5さんにもう一度登場してもらいましょう!
この音階は長音階と呼ばれます。
短調とか長調って聞いたことありますよね?
音楽では、暗い雰囲気のことを「短」、明るい雰囲気のことを「長」と表現します。
つまり、長音階は、明るい雰囲気の音階という意味ですね。
では、長音階とはどのようなものを言うのでしょうか?
下の図7を見てください。
このように長音階は、基音から全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音と並べた音階になります。
この並びをどう覚えるかというのは、実はあまり重要ではありません。
調号(後述)さえ覚えてしまえば、あとは基音から順番に並べるだけなんです。
そして、注目すべきは導音です。基音との距離が半音になっているのがわかりますね?
ここが半音だから基音が導かれるように聴こえるんです。
では、長音階があるならもう一つ思いつくものがありますよね?そうです。短音階です。
図8が短音階になります。
長音階とどう変化があるかを見るために、同基調(後述)であるc mollでご紹介します。
長音階と比べて中音と下中音、それに導音が半音下がったのがわかりますね。
中音を半音下げると、長から短に変わるというのは、和音でも同じです(後述)。
どちらも音楽の基礎になっているので同じような成り立ちをしているんですね。
ここで気になることがあるのではないでしょうか。
自然的短音階の「自然的」ってなんだ?ってことです。
この「自然的」とは、調号に従ってただ音を並べただけという意味があります。
つまり、図7で紹介した長音階も言ってしまえば自然的長音階なわけです。
そして、こんなふうにわざわざ「自然的」とか書かれると、「自然じゃないやつもあるってこと?」という疑問が生まれるのが人の常。。
そうです。自然的じゃないやつもあります。
図8の鍵盤を見てください。
先ほど導音は半音だから基音を導くと書きましたが、これ、、、導音と基音の間が全音になっちゃってますよね?
あとに示す動画2で聴くとわかりますが、これだと”導かれた感”があまり出ないんです(^^;
でも、調号的にどうしてもh1にフラットはついてしまうので、「自然的」ではb1になるのは仕方がないんですよね・・・(´Д`)
ということで考えられたのが、”自然じゃない短音階”です。
図9がその一つ、和声的短音階です。
和声とは(詳しくは後述しますが)、和音の流れ(コード進行)のことです。
導音が基音の半音したになるというのは和声的に正しい表現と言えます。
つまり、これによってしっかり基音が導かれるようになるんですね!
しかし、ここで図をよく見てください。
下中音と導音の間が、全音半になってしまっています。これは明らかに不自然です。
これまた動画2で聴くとわかりますが、和声的短音階は非常に歌いづらいんです。
つまり、旋律的にはまだ不自然なんですね(ーー;)
じゃあどうしましょう・・・。ということで登場するのが旋律的短音階です!
図10が旋律的短音階です。中音の音も半音上げたんですね!
これによって、「全音半」という奇妙な音程はなくなり、歌いやすくなりました。
また、注目すべきは今回の音階は、降りる部分まで書いているということですね。
今までは、上りも下りも同じだったので特に明記しなかったのですが、この音階だけは違います。
導音は基音を導くために基音との距離を半音にしたんですよね?
だったら、別に基音を導かない下りのときには、わざわざ半音上げる必要はありません。導く必要がないんですから当然ですね。
なので、下りは、導音の件を除けば一番自然になる自然的短音階と同じになります。
これで、和声的にも正しくて、さらにとても歌いやすい音階ができました!
さてここで、動画2を先に聴いた方はわかるでしょうが、この音階、上りの後半のほうがなんか明るく聴こえるんです。
それもそのはず、この音階上りの後半が長音階と同じになってますよね?だから明るく聴こえるんです。
この長短の区別は果たしてどこでついているのでしょうか?
それぞれの音階を比べてみれば簡単ですね。
中音や下中音が長音階に比べて半音下がると暗く聴こえるんです。
この旋律的短音階、長調のようにも聴こえることから、長調的短音階とも呼ばれます。
長調的な短音階なので、区分的には短音階ですね。
「なんで明るく聞こえるのに短音階がメイン?」と思う方もおられるのではないでしょうか?
これは下中音は長調的ですが、中音が短調的なためです。
名前からもわかるように、中音がこの調のメインの中音で、下中音はサブ的な立ち位置ですよね?
だから、二つある中音のうち、サブである下中音が長調的であり、メインである中音が短調である音階を長調的短音階というんです。
ここで、またしても疑問が!
「長調的短音階があるなら、短調的長音階があってもいいじゃないか!」
ってことですよね!(`・ω・´)
そうです。あります!
先ほどの説明を理解した方であれば、もう作り方もわかるのではないでしょうか?
図11を見てください。
これが短調的長音階です。
予想通りだったでしょうか?(*゚▽゚*)
自然的長音階から、中音を長調的に、下中音を短調的にしてできる音階ですね!
これらが基本的な音階の種類となります。では、試しにこれらを聞いてみましょう!
どうだったでしょうか?(´∀`)
説明していたことが分かりましたか?
わかっていただけたら万々歳です(`・ω・´)
ここまでの説明で、「長音階は中音が長調的」ということと「短音階は中音が短調的」ということがわかったと思います。
また、長音階と短音階の二つを合わせて全音階と言ったりもします。
これ以外にも、すべての音を半音ずつ鳴らしていく半音階と呼ばれる音階があり、これは何とも言えない不安な感情や、落ち着きのない感情を表すときに用いられます。
下降の半音階では、なにか壊れていく感じもしますね。
先程からずっと「短調的な中音」とか「長調的な中音」と言っていますが、正直、これでは言葉的に不便ですね(>_<) そこで、次回、細かい音程の分類について話したいと思います(*゚▽゚*)
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